髭切はすこぶる機嫌が悪かった。一晩明けて冷静になって思い返せば、自分はなんという醜態を晒したことだろう。昨夜の髭切を源氏の連中が見たら卒倒するに違いないと、弟の口癖じみた愚痴も言いたくなる。当然だが他の刀剣に痴態を知られるわけにもいかないし、なにより主を手篭めにしようとして返り討ちに遭ったのだと白状するわけにもいかないので、昨夜のことは髭切と彼女だけの秘密だった。

 力の入らない足腰を無理やり奮い立たせながら髭切は唇を噛む。主め。まだ僕が人の体に不慣れなことを利用して好き放題してくれたな。お尻の穴が開きっぱなしになっているような違和感が残っていて不快極まりないが、腹の中に灯った火はまだ燻っていた。まさか尻で感じる体に作り変えられてしまったのかと不安になって性器を擦ってみればちゃんと反応したので、雄としての機能が失われていないことに安堵する。そう簡単に屈してたまるか。雌堕ちなんて絶対にしないぞ。ぎゅうと拳を握りしめて髭切は廊下を歩く。夜の闇に侵食された屋敷はひんやりと静まり返り、髭切の足音だけをちいさく響かせている。ぎぃ、ぎぃ、ときしむ廊下は審神者の部屋へ繋がっていた。
 襖の前で髭切は決意を新たにする。今夜こそは油断し切った主の寝首を掻いてやる。審神者の使う呪術がどんなものであろうと必ず穴はあるのだ、昨夜と同じ罠にはかかるまい。髭切に組み敷かれて無様に喘ぐ彼女を想像すれば体にやる気がみなぎった。

「失礼するよ」

 やんわりと呼びかけて襖を開く。二つの布団が並べられた和室に、橙色の行灯がぼうっと幻想的な光を放っている。彼女はその横に足を組んで座っていた。髭切の姿を認めるとにっこりと微笑んでみせる。いまから共寝を初める夫婦かと錯覚してしまうような淫靡な雰囲気に、髭切は少なからず戸惑いを覚えた。

「待ってたわ。さあ、早くこっちに来て」

 トントンと布団を叩かれて吸い寄せられるようにそこへ向かう。室内には甘い香のかおりが漂っていた。花のようだが嗅いだことのない、鼻を抜けて脳を痺れさせるような官能的な匂いだ。雰囲気を作るために彼女が焚いたのだとしたらいじらしい。ますます髭切の毒気は抜かれてしまった。

「今日もたくさん気持ちいいことをしましょうね」
「ふふ、うん。そうだね」

 いや、今夜泣かされるのは彼女のほうだ。そう易々と恨みを忘れるわけにはいかない。
 そんな髭切の思惑には気づいているのか、主は彼の頬を両手で覆っていつも通りに微笑むと、ゆっくりと唇を近づけた。呆気に取られる髭切のそれに柔らかな感触が重なる。主はまるで恋人同士のように優しく唇を合わせ、片手でふわふわとした金髪を撫でる。人の手に撫でられるのは心地よく、伝わってくるあたたかな体温に髭切の目はうっとりと蕩けていった。これが口付けか。目の前の相手が憎たらしい女だということも忘れて、柔らかな触れ合いの気持ちよさに感じ入る。

「ん……むっ…」

 ちゅっ、ちゅっと唇を吸われたかと思えば、ぺろりと濡れた舌が隙間を撫で、力の抜けた瞬間に歯列を割って入り込んできた。驚きで跳ねた髭切の肩を落ち着けるように叩き、主はちいさな舌で内側の粘膜をくすぐる。こそばゆいような感触に身悶えているうちにたまらなくなり、体の中の熱さが広がっていった。おそるおそる舌を突き出せば甘噛みされ、もっともっとと言わんばかりに吸い付かれる。ぞくぞくと背筋に込み上げてくる快楽に髭切は息を荒げた。

「んっ、ぷ、はぁっ、はあ…あ…」

 唇が離れる頃には座っていることも困難なくらい腰に力が入らない。口付けひとつで腑抜けになってしまうなんて。信じられない気持ちを抱きつつ、すっかり蕩けた瞳で主をみると彼女は満足そうに笑っていた。

「うん。やっぱりこのお香、よく効いたわね」
「え……?」
「付喪神に効くという媚薬を練りこんであるのよ。ちょっと試してみたくなってまたたびも加えたのだけど、効果てきめんみたいね」

 すん、と改めてその香りを吸い込めば、ぽうっと頭の中に靄がかかり、幸福感が手足のすみずみにまで広がる。まずい、と今更ながらに気づいても遅かった。今宵こそは彼女にしっぺ返しを食らわせようと思っていたのに入室した時点で罠に嵌められていた。最初から髭切の勝ち目はなかったのである。

「媚薬なんて卑怯な……あっ!」

 審神者の指が耳にかかった髪をかき分け、ふっと息を吹きこまれる。ビクンと体が跳ね、続けざまに軽いリップ音を立てて耳朶を吸われるともう駄目だった。

「あっ、あっ、ひゃあんっ、耳やめてぇ…」

 髭切がお願いしたところで彼女が止めてくれるわけもなく、濡れた舌で耳介のくぼみをなぞられては甘く歯を立てられる。媚薬に毒された体は軽く撫でられるだけの刺激にも大袈裟に反応し、早くも着流しの下の性器が首をもたげはじめた。はぁはぁと熱っぽい吐息を漏らしながら彼女に与えられる快楽に身を委ねてしまう。耳から首筋、鎖骨へと吸い付きながら痕をつけていって、とうとうはだけた胸元に唇が触れた。

「ひゃあっ?!?! ああっあんっ♡ おっぱい吸わないでぇっ!」
「ん、髭切はここが好きなんでしょ? 口で嫌だと言っても体は素直ねえ」
「やあああっぁっ♡ それ、気持ちいからぁ…!」

 ちゅうぅっとキツく吸い付かれて背中が仰け反るほどの快感が走る。唾液をまとった舌につつかれて前歯でカリカリと噛みつかれて。まだ慎ましく平坦だった乳首は審神者の口の中で転がされるうちにむくむくと膨らんでいった。片方を口で嬲られながらもう片方を指先でクリクリと苛められ、あっという間にピンク色の突起は固く尖ってしまう。しかも、すっかり性感帯となったそこを刺激されると、なぜか尻の奥がきゅんきゅんと疼く。昨夜同時に責められたせいで快感が繋がってしまったのだろうか。ふしだらな体にされてしまったと愕然とするが、身の内で暴れ回る昂りを鎮めることはできなかった。

「あっあっあああぁあ!! おっぱいきもちぃいっ、あんっやぁあイッちゃう!! おちんちん触ってないのにイくのやだよぉお…!!」
「ふふ、だらしない雌ちんぽね。おっぱいかじられてイっちゃえ♡」
「やだっ♡ ああぁぁ〜〜っっだめだめおちんちんイく♡♡♡ おねがい、服ぬがせて、あっ、らめぇ、ああぁぁああああああぁっっ!!!!」

 下着からはみ出さんばかりに勃起していた陰茎からびゅくびゅくびゅく!! と精液が発射される。生温かい嫌な感触が布地に広がっていくが射精を止められるわけもなく、カクカクと無様に踊りながら快感に浸る。さらにとどめを刺すように審神者がぎゅうっと乳首を抓り上げると、痛みによってビクリと震えた髭切の体からさらにどぷどぷっと白濁が噴き出した。

「おっぱい痛くされてイっちゃう男の人なんて初めて見たわ。髭切って真性のマゾなのね。源氏の惣領刀がこんなド淫乱の変態刀なんて知りたくなかったわ」
「あ、あ゛、あ……♡♡♡」

 呆れたような彼女の声に言葉で責められるとまた玉が収縮し新たな精液が込み上げる。もはや意味をなさなくなった下着から青臭い体液が染み出して、まるで失禁したかのように着流しの股間が濡れてしまった。動けない髭切に代わって審神者が彼の帯を解き、濃く変色した下着の縁に手をかける。あえてゆっくりとずり下ろせば、白濁液に包まれて卑猥に光る肉棒がにゅるりと姿を現し、腹につきそうなくらい天を向いて反り返った。

「まだおちんちん元気なのね。今のうちにいっぱい射精しておくといいわ。いずれコレは使えなくなるんだから」
「ひ、ひぃ、はふ…♡ それ、どういう意味…?」

 審神者は答えずににっこり笑うと髭切の肩を押して布団に寝転ばせた。ふにゃふにゃに脱力した脚を大きく開かれて、股の間に彼女が座り込む。次はなにをされるんだろうと想像すれば期待に体が熱くなった。主の指でお腹の奥を弄られるのもいいし、潮を噴くまで陰茎を扱かれるのも、乳首がぱんぱんに腫れ上がるまで吸われるのもいいーーとそこまで思ってハッとした。なぜ、彼女に犯されることを望んでいるのだ。違う、こんなはずじゃない。雄であるはずの自分が乳首やら尻穴やらを弄ばれて絶頂するなんて、耐えがたい屈辱のはずだ。

 しかし、快楽を教え込まれた体と媚薬で蕩けてしまった脳みそは、髭切の意志を無視して強欲に刺激を求める。

「はぁ、はぁ…、あるじっ、も、やだからぁ…っ!」

 拒絶の言葉を吐きながらもぞもぞと尻を動かすが、傍目にはおねだりをしているようにしか見えない。まだ指一本も触れていないのに勝手にひくついている尻穴を見て、彼女は残虐な笑みを浮かべた。

「嘘つき。まだまだ気持ちよくなりたいくせに。素直になれない悪いペットにはとびきりキツイお仕置きをしてあげる♡」
「や、やああぁ……!♡」

 尻の窄まりにヌルリとしたものが触れて髭切は目を剥いた。丁子油とは違う、もっと粘度が高くて水っぽいなにかだ。しかもそれを塗りつけられた部位がじんじんと熱く火照りだす、異常な代物だった。

「あっ、なにこれっ、からだへんだよぉっ…!!」
「今夜は媚薬入りローションを用意してみたの。きっと昨日よりもっともっと気持ちよくなれるわよ♡」
「ろ、ろーしょん…? ひっ?! ああんっゆびっ入っちゃったあああ…!!!」

 ローションとやらでたっぷり濡らされた穴は抵抗なく主の指を受け入れた。媚薬作用があるらしいそれをぬぷぬぷと腸壁になすりつけられ、体の内側が燃えるように熱く疼きはじめる。一本めの指をぐいっと端に寄せられて狭い肉の道を開かれたあと、二本めの指が拡張した入り口に割り込んできた。昨日の今日だからか、それともローションのせいなのか、早急に体内を荒らされても痛みはなく、気持ちよさだけが溜まっていく。


「ああっっんあああっ♡♡♡ おしりずぽずぽだめっ!! そこぐりぐりってしたらんお゛ぉぉっっっあああ♡♡」
「髭切は前立腺ぐりぐりぐり♡って押し潰されるの大好きだもんね♡ ほら、三本も指入っちゃったわよ」
「にゃあああぁああああーーーーっっ♡♡♡ こんなのむりっあっうううっおしりひろがっちゃうー!!!」
「まだまだよ。髭切のお尻を立派なおまんこにしてあげるからね♡」


 三本の指が腹の中でぐうっと開き、ぐぱっといやらしい音を立て腸壁を無理やり押し広げていく。ふるふると震える腸の粘膜が空気にさらされて不規則に収縮する様が卑猥だ。両手で頭を搔きむしり身悶える髭切のお尻に、新たなローションが追加され、ぬめりをまとった指がさらにずぷずぷと潜っていった。


「んお゛っっ……?! ア、がはッ……アア♡♡♡」


 さっきまでとは格段に違う圧迫感。審神者の手の関節が腸壁にのめりこみ、骨盤がみしみしと軋む感触と共に広がっていく。内臓を侵食される苦しさと、それを上回る快楽に、髭切の口がぱくぱくと死にかけの金魚のように開閉した。


「わあ、すごい、髭切のお尻の中に私の手がまるごと入っちゃった♡」
「え゛あっ……?! うそぉ、お゛♡♡♡」


 彼女の言葉に嘘はなかった。ローションで光る白い手が、親指の付け根まで髭切の尻に埋め込まれている。本来受け入れるところでないそこは、いくら慣らしたといえど無理な拡張に悲鳴を上げている。彼女の骨のでこぼことした突起すら、生々しく腸壁に伝わる窮屈さ。頑丈な刀剣男士の体とはいえ壊れてしまいそうになった。

「お゛おぉ゛おお……♡ むりッ、ひんじゃう゛…、おなか、破れちゃう…!!」
「大丈夫よ。この程度で人の体って壊れないもの。万が一お腹が破れたら手入れ部屋に連れて行ってあげる♡」
「やあ゛ぁ、ぁ、ぁ…♡ 」

 なんて鬼畜なんだと訴えたかったが、呂律の回らない口では喘ぎ声を出すのが精いっぱいだ。こんなのは無理だ、いくらなんでも限度を超えているーーと思っていたのに。彼女の手がじっと押さえつけているそこ、弾力のあるしこりが次第に快楽を拾い始める。お腹側に凹んでしまいそうなほど圧迫されているのだ。最初は苦しいだけだったのに、じわじわと炎が燃え上がるように快感が込み上げてくる。

「あ、あ、あ……♡ なんれ、きもちっ…!! ひゃああっ……だめ、だめッ…うごかしたら、ヒッ、ああぁあああああ゛あ゛あ゛ああーーーーッッッ!!!」

 ごちゅん。丸めた指の関節が前立腺を小突く。たったそれだけの衝撃で髭切の限界点を突破するにじゅうぶんだった。これ以上ないほどに反り返っていた陰茎がびゅくりと跳ね、白く濁った体液が放出されて腹を汚していく。
 あ゛、あ゛、と獣の唸りにしか聞こえない悲鳴が喉を突いて出る。瘧のようにガクガクと痙攣する膝がうるさいほどに床を叩いていた。


「おちんちんビクビクして射精止まらないねー♡ みるくぴゅっぴゅってするの気持ちいい?」
「きもぢい゙ーーーっっみゆくぴゅーーってっっきも゙ぢい゙ぃーーーーッッッ!!!」
「素直に言えて偉いわね。ご褒美よ♡」
「ギエエエェエァアアアアーーーッッッ!!!」


 白眼を剥き真っ赤な舌を突き出して絶叫する。今の髭切の形相を見たら鬼の大将も裸足で逃げ出すだろう。一時は鬼切の尊厳を失った彼だが無事に取り戻したようだ。
 審神者の拳がごつごつと前立腺を叩くたびに、まるで別の生き物かのように陰茎が腹の上で踊る。精の飛沫が噴き出し続け、波打つ白い腹に地図のような模様を描く。やがて出すものも無くなり、萎えたそれが力無く痙攣するのみになっても、絶頂の山から降りれなかった。


「お゛っぁああ、なんれぇぇえ♡♡♡ おちんちんイッてないのにっっ気持ちいのとまんにゃいのおぉぉっっ♡♡♡♡♡」
「髭切はお尻でイける雌になっちゃったのよ。私の手をきゅうきゅう締め付けてトロトロに柔らかくなってるこんなお尻のことをなんて言うか知ってる? おまんこよ。いやらしい雌穴のケツまんこ♡」


 ケツまんこ。源氏の重宝の尻に腕を突っ込んで下品な名前で生殖器呼ばわりする人間が、いまだかつて存在しただろうか。プライドを粉々にするかのような彼女の言葉に、とうとう髭切の理性は壊れた。矜持、知性、常識。そんなもの絶大な快楽の前では邪魔な鎖に等しい。全て投げ捨てれば残るのはただ一つ。ケツまんこずぽずぽされるの気持ちいい♡ という事実のみ。
 ああ、雌堕ちって最高だあ……♡♡♡ 新世界に足を踏み入れ恍惚とする髭切のお尻の中でずんっと彼女が動く。今まで前立腺を苛めていた拳がぐぷぐぷぐぷっと腸の弁を超えて奥へ奥へと侵入してきた。明らかに入ってはいけないところ。完全に体の内側、臓腑を犯される感覚に全身が悲鳴を上げる。

「ぐお゛おっお゙ぉおォ……!! そこあ゛あああぁアアァだめ゛っっ死んぢゃうッッッ♡♡♡♡♡」

 目の中にハートを浮かべながら言っても説得力がない。審神者は丸めた拳を遠慮なく結腸でピストンさせ、手の形に合わせて髭切の引き締まった腹筋がボコッボコッと膨らむのを楽しんだ。彼の背が床から浮くほどに弓なりに反り、汗ばんだ白い体をわななかせながら絶頂する。

「ん゛お゛おおっお゛っイぐッッッ…♡♡♡ ケツまんこアクメキメちゃうッッッ♡♡♡♡♡ おしりばかになるっ、ひらきっぱなしのばかまんこになっぢゃう♡♡♡♡♡」
「お尻も頭もユルユルのばかまんこちゃん♡ もっと奥までずぽずぽしてあげるから四つん這いになってもらおうかしら」

 空気が抜けるようなひどい音を立てて拳が引き抜かれる。雄叫びに近い悲鳴が部屋を震わせた。中のヒダが丸見えになるほどに広がりきった肛門はヒクヒクと二、三度痙攣し、名残惜しそうにゆっくりと閉じていく。意識が飛びかける髭切の尻をパンッと叩き、無理やりに覚醒させると審神者は再び命じた。

「こっちに尻を突き出しなさいと言ってるのよ。聞こえてる? 脳みそガバガバのまんこ野郎になっちゃったのかしら?」
「にゃっ、ひい、ごめんなさいっっ……」

 急に低くなった彼女の声に戦慄しながら髭切は必死に体勢を変える。力の入らない手足で懸命に体を支え、まだ閉じきっていない尻穴を彼女のほうに突き出した。はふはふと熱っぽい呼吸を繰り返す胸には乳首がピンと尖って卑猥な有様だ。一方で股間の付け根にぶら下がっている陰茎はピクリとも動かず、重力のままに垂れている。

「すっかり雌のいやらしい体になったわね。じゃあ、今からイッた回数をかぞえなさい」
「え…? あ゛あ あぁああぁぁぁぁぁーーーーっっ?!?!」


 ぐぼぐぼぐぼぉぉっっっ!!!
 お尻の穴を目いっぱい広げて、突き破らんばかりの勢いで審神者の腕が結腸までめり込む。いきなり拳を咥え込まされた腸壁は衝撃のあまりビクビクっと蠕動し、異物を吐き出そうとしたが、力の限り打ち込まれる腕力に敵うはずがなかった。髭切は床が削れるほどに爪を立てて白眼を剥き、金糸の髪を振って叫んだ。


「んぎぇぇあぁあああーーッッッ!!!???」
「あ、もうイッちゃったの? ちゃんと声に出して数えて」
「イッッ゛いっっ、いちっ、んぎぎぃぃ゛いぃ゛ぃいぃぃぃ♡♡♡♡♡」
「こら、また勝手にイッて。次は? 2回? 3回? 数も分からないばかまんこは捨てちゃうわよ!」
「あああーーーっっごめ゛な゛しゃっっぃぃ!! に、にかい♡♡っっ、さんがいっっ♡♡♡ んぎぃぃぃいいぃ゛いぃ♡♡♡♡ よぉおお゙っんかぃッッッああアアァアアアア!!!」


 審神者の拳にゴリゴリゴリッと敏感な腸の奥を抉られて髭切の思考はショートした。連続絶頂ケツアクメの快感に正気でいられるわけもなく、ガチガチと歯を打ち鳴らしながら意味の分からない濁音を叫び続ける。正しく、尻の穴から手を突っ込んで奥歯ガタガタ言わせている文字通りの光景である。

「わかんなくなっちゃったの? それじゃあまた最初から数え直しよ、ばかまんこちゃん♡」

 言うなり、ばちーん!! ばちーん!! と華麗な平手打ちが弧を描き、髭切の尻を叩いた。みっちりと筋肉の詰まった尻が弾力たっぷりに揺れ、小気味良い音を立てる。打たれたところが赤く色づきヒリヒリと痛む。繰り返し繰り返し同じところを叩かれ、そのたびに髭切は舌を突き出して絶頂した。尻を叩かれて感じない男などいないのだ。
 髭切の尻が猿のように真っ赤に腫れ上がったころに審神者は攻撃をやめてくれた。片手でピストンを続けながら、もう一本の手で萎えた陰茎を掴む。


「もうおちんちんは使い物にならないわね。どうせ勃起もできない邪魔なイチモツよ。切り取ってしまいましょうか」
「ひッッ!? やだ! やだ!♡♡♡♡♡」


 甘い声で囁かれた恐ろしい言葉。この審神者はやると言ったら去勢でもなんでもするだろう。ふにゃふにゃの陰茎をごしごしと扱かれ、恐怖と快楽のあまり尿道からちょろちょろと潮ではない液体があふれ出る。黄金色のそれが彼女の手から滴り布団を汚していく。


「あら? お漏らししちゃったの? お尻だけじゃなく尿道括約筋もばかになっちゃったのね♡」
「あ゛〜〜〜〜〜……♡♡♡」


 じょろじょろと止めようもなく膀胱の中の液体を排出する。恥ずかしいはずなのに気持ちよくてたまらない。全て出し終わると、審神者の爪先が尿道口にガリッと食い込んだ。浅い入り口を執拗に引っ掻かれて痛みと快感が弾け、なにをされるのかと新たな恐怖に慄いた。

「いずれここも開発してあげる。一人で厠に行っておしっこするたびに絶頂するようになるわ。生きてるだけで気持ちよくなっちゃう体にしてあげる」


 ぞくり、震えが走る。

 主の手によって作りかえられてしまう体。それはなんて甘美な、この上ない幸福なんだろう。


「ひっああンっ……ぼくのおちんぽ…♡ 雌ちんぽいじめてくらひゃいっ♡♡♡」
「ううん、これはもうちんぽじゃないわ。クリトリスよ。雌にあるのはクリちゃんだもの」
「く、クリちゃんっっ♡♡♡ んほぉおぉっクリちゃんしこしこっきもぢぃーーーっっ♡♡♡♡♡ お潮ふいちゃうっにょおおおおおっ!!!!」

 絶叫と共に審神者の手が新たな体液で濡れる。彼女はびちゃびちゃになった手を煩わしそうに髭切の太ももに擦りつけ、今度は胸の前へと伸ばした。
 ぷくんと小指の先ほどに膨らんで固くなっている乳首に触れる。さらに尖らせるようにむぎゅうと乳輪ごと扱き上げ、指の間で挟んでコリコリと愛撫すれば面白いほどに髭切の背が跳ねた。

「やああああーーーっ♡♡♡おっぱいやらっっきもちよすぎてらめぇぇ♡♡♡ いきゅいきゅいきゅッッッーー♡♡♡」
「髭切のいやらしい乳首、私よりおっきくなってるんじゃない? これならきっとおっぱいも出るわ♡ 髭切のお乳飲みたいなあ、みるくぴゅっぴゅってしましょうね♡」
「ひぃいい゛ぃい?!?! ぼく牛さんじゃないのぉぉ!!! 乳搾りされてもみるくでにゃいよおおおお♡♡♡♡」
「出るわよ。神様なんでしょう? 私が出してってお願いしてるんだからおっぱいみるく出しなさい♡」

 とんでもない暴言だ。残念ながら、男体の付喪神である髭切の乳首から母乳が出るようになるにはまだ調教が足りないらしい。今夜の成果としては、乳首を苛められる快感にのたうつ髭切がだらだらと涎を垂らして喜ぶのみだった。


「んお゛ぉッッ…♡ ごめんなひゃい、ぼくおっぱいでにゃいけどっ……でるようにがんばるから♡♡ まいにち自分でちくびおなにーがんばって、みるくぴゅーっぴゅーって出せるようになるから♡♡♡♡♡」
「いいわ、励みなさい。じゃあ髭切が乳首オナニーしてる間は、私がお尻を苛めてあげる♡」


 自分で乳首を弄りながら主にお尻をぐっちゃぐっちゃに犯されるのはどんなに恥ずかしくて苦しくって気持ちいいだろう。想像するだけではぁぁ、と息が上がり腹の奥がキュンと疼く。雌堕ちは最高だ♡ ケツまんこ気持ちいい♡ こんな気持ちいいことを教えてくれたご主人様に楯突こうなんて、以前の自分はなんて馬鹿だったんだろう。主人に雌調教されてケツまんこ掘られる喜びを知らなかった自分が恥ずかしい♡♡♡



「あっ…あるじぃ♡ あるじさまだいしゅき♡♡♡ ずっとずーっと、ぼくだけをペットにして、ぼくだけを特別にしてくださゃい♡♡♡」
「ふふ、ドM淫乱ペットの髭切ちゃん♡ 良い子にしてたら毎日毎日ケツまんこずぽずぽしてクリちゃんシコシコして、死んじゃうくらい気持ちよくしてあげるわ」
「は、はひっっ……いいこにしますっ♡♡♡ えっちな変態ペットのぼくはっ、あるじさまにいっぱいいじめてもらえて幸せれす♡♡♡」



 焦点の合わなくなった目をトロンと蜜色に蕩けさせ、涎で光る唇にうっとりとした笑みを浮かべながら髭切は答える。雄として彼女を屈服しようとした髭切はもういない。完成した淫靡なペットの姿がそこにあるだけだった。
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