※淫語、ハートマーク♡乱舞
※捏造設定多数

 夜、どうにも寝付けなくてゴロゴロしているうちにお腹がすいてしまい、この時間に食べてるのがバレたら小うるさい厨係に怒られるかなと一瞬考えたが食欲の秋だし仕方ない。ということでこっそりと寝室を抜け出して冷え切った廊下へ出る。裸足で足音をひそめながら厨へ向かうと、そこには先客がいた。

 彼も後ろめたい思いがあるのだろう、人目を気にして電気をつけていない。ただ唯一光るのは電子レンジのオレンジ色の明かり。ヴーーンと低い稼動音が静まり返った厨の中へやけに大きく響いていた。
 ははあ、深夜にこっそり夜食を作ろうとしている同志がいたのだな。抜き足差し足の延長で音も立てず彼の後ろに回り込み、声をかける。

「なに作ってるの?」

 ビクリと大袈裟に跳ね、振り向くやいなや険しい顔で私を睨んだ膝丸は、すぐに正体に気づいて間抜けな表情になった。

「あ、あ、主」

 屈んで電子レンジの中をのぞきこもうとするとなぜか大慌てで目の前に立たれた。隠すことはないじゃないか。どうせ共犯者だ。ひょいひょいと頭を左右に振って奥を見ようとするが、そのたび機敏な動きで視界を遮られる。

「なんで隠すの」
「いや! その、違うんだ、これは」

 ぶんぶんと両手を振って妨げようとするから余計に気になる。彼の肩を掴んで身を乗り出した。

「いいじゃん一緒に夜食食べようよー。ひとくちちょうだい?」
「だから違う! 頼む、見ないでくれ、あ、あるじーー」


 ボンッッ!


 けたたましい爆発音が響き、他愛ない攻防戦を繰り広げていた私と膝丸の動きが止まる。おそるおそる振り向いた膝丸は冷や汗をだらだらと流しながら嫌な臭いのするレンジの中のなにかを見つめた。
 ああ、温めていたのは食べ物ではなかったんだな。ようやく察したがまだこの時の私は事態の深刻さを理解していなかった。
 扉を開けると異様に変形してはいるが妙に卑猥な肌色をした筒状の容器が姿をあらわす。

「……」
「……」

 これなーに? と尋ねるほど無知でも意地悪でもなかった。赤いしましまの製品ならまだスタイリッシュなインテリアだね!とごまかせたかもしれないが、人肌に似たシリコンに裂け目の入ったその形状では、用途を察せざるを得ない。

 膝丸はこの世の終わりのような顔をして使用不可となったオナホを見つめている。数秒か数分か、いたたまれない沈黙がプラスチックの焦げる臭いの漂う台所に流れた。

「私、帰るね」
「ま、待ってくれ!」

 食欲なんて失せてしまった。気まずさに耐え兼ねて退散しようとした途端、強い力で腕を掴まれる。
 今から自慰するつもり満々だった男に手を掴まれていい気分がするわけがない。しかも薄闇の中でこちらを見据える目はさっきまでとは違い欲に塗れてギラギラと光っている。開き直ったのか、隠す必要がなくなったからか。いずれにしても嫌な予感がして後ずさるが、

「主に頼みがあるのだ」

 声をひそめて唸る膝丸の迫力に、なんですかと答えないわけにはいかなかった。





「はっ、はあっ、あるじっ」

 頼みがあると言って連れていかれたのは厳重に戸締りのできる手入れ部屋。幸い誰も使っていなかったので秘密を共有するにはもってこいのその部屋で、私はなぜか膝丸のいきり立った逸物を扱いていた。

「んぁあっ…う、主の手は、心地よいな…。刀であった頃の、人に握られる感覚を思い出すからだろうか…」

 びくびくと腰を揺らしながら端整な顔を歪める膝丸のあられもない声を聞きながら、虚無の表情でそのご立派な肉棒を摩擦する。だらだらと溢れる先走りの汁に汚されて手のひらはすっかり濡れていた。夜食を食べにいくつもりがまさか男の性器を握らされているなんて、どうしてこうなった。


 あのあと、オナホ爆発現場から膝丸に手を引かれて人気のない部屋に連れ込まれた。二人っきりの密室というシチュエーションに、犯される!と危機感を覚えたものの、もぞもぞと申し訳なさそうに正座をした彼に先の恐怖は払拭された。

「その、……が、上手くできないのだ」

 耳まで真っ赤に染めて畳を見つめる膝丸が、ひどく言いにくそうに口を開く。

「え?」
「その…処理が…」
「? ごめん、聞こえない」
「だから、自慰が! オナニーが上手くできないと言っているのだ!」

 ぼふんと煙が出そうなほどに顔を赤くして膝丸は叫んだ。

「あ、ああ……。そうなの…」

 齢千歳の宝刀であり見目麗しい青年の姿をした太刀から、オナニーができないなんて台詞を聞く日がくるとは夢にも思わなかった。まあ男体として顕現したのだから人並みの欲は付随してくるものかもしれないし、自慰自体には驚きはないのだが、そのへんの話は仲間同士で解決していると思っていた。
 ふるふると拳を握りしめて羞恥に耐えている膝丸には悪いが、御門違いというか、相談する相手を間違えているというか。

「やり方は教えてもらったのだ…。だが、どうにも恐ろしくて最後まで続けることができない。人の身の悩みなら、審神者である君に相談したほうがいいと思ってな」

 刀剣男士においても適応力というのは様々で、肉の体を得た当日から新たな刃生も謳歌する者もいれば、数日間眠ることも食べることもできない者もいる。膝丸は明らかに後者だった。眠りに就くと死にそうで怖いと言って、目の下を青黒く染めながら出陣を繰り返していたが、とうとう岩融に首を締め上げられて物理的に落とされたのは忘れられない。
 そういう過去があるから膝丸が人の体に上手く馴染めないのは不思議ではないが、まさかイク感覚すら怖いと言って泣きついてくるとは。

「頼りにしてくれるのは嬉しいけど、私と膝丸じゃ体の作りが違うからなぁ…。男の人が達する感覚って分からないし…」
「そうなのか?」

 少し落ち着いたらしい膝丸がまだ赤らんだ瞳で見つめてくる。なにかを考える仕草をして、口を開いた言葉は、とんでもないものだった。

「ならば、君はどんな心地がするのだろうか。教えてもらえれば少しは恐怖も和らぐかもしれない」
「ええ?!」
「君も達するときは、己が己でなくなるような心地がするのか? 頭がカラになりそうで最後まで続けられないのだが、あの恐ろしい感覚の先にはなにがあるのか」
「いや、ちょっ…待って……」
「! ああ、すまない。もしかして女人は自慰をしないものなのか。失礼なことを聞いたな」

 色々と訂正するのが面倒で頭を抱えた。この際、ちゃんとした教育をするのは後回しだ。とにかく目下は膝丸に気持ちよく抜いてもらわないことには寝室に帰れそうにない。
 しかし、ふと不思議に思った。膝丸はオナホを所持していたではないか。電子レンジで温めるなんて玄人(?)っぽいやり方まで知っていた。刀剣男士のオナニー事情については知るところもないが、手で致すのが基本だと思う。膝丸は上級者なのではないか。
 その疑問をぶつけてみると、

「ああ、手だとどうしても途中で止めてしまうのでな…。鶴丸にもらったおなほ? というものを試してみようかと。温めると余計に良いと教えられたからやってみたのだが…駄目だったようだな」

 肩を落としてため息を吐く膝丸は哀愁漂っている。これからは電子レンジの扉に『オナホ禁止!』と貼り紙をしておいたほうがいいだろうか。雅じゃないと歌仙が発狂しそうである。


「ともかく、やり方が分かってるならがんばって最後までやってもらうしかないよ」
「そうだな…。分かっているのだが…」

 なにかを言い淀む素振りを見せ、しばしの逡巡のあと膝丸は頭を下げた。

「主の手を貸してもらえないだろうか」

 今にも泣きそうな顔で懇願してくる姿は、いつもの気高く凛々しい太刀と同一人物とは思えない。予想外の展開に言葉を失ったが、膝丸は真剣な目で見つめたまま涙を湛えている。
 いや。プライドの高い重宝である彼が恥を忍んで助けを求めに来ているのだ。趣味といえば兄の世話とも言わんばかりにべったりで、他の刀とは一線の距離を保ち、他者を頼るということをしない膝丸が。一人で悩み抜いた末に縋り付いたのが、仮にも主であるこの私ならば、手を差し伸べるのが道理なのではないか。
 それに、人の体を得てまだ数ヶ月も経っていない、これは体の大きな子供なのだと思えば抵抗感も薄まった。

「仕方ないな…」

 一度達する感覚を覚えてさえしまえば、次からは自分で処理できるだろう。今回だけだよ、と念を押して哀れな男の姿を見やれば、彼はパッと顔を上げて目を輝かせた。

「本当か?! ありがとう、主!」

 あれ、可愛いなと思ったのも束の間。いそいそとズボンを下ろした膝丸の腰に鎮座する逸物を見て、全く可愛くないと認識を改める。なぜかすでに半勃ちのそれは顔に似合わずグロテスクで太く、完全状態になったらどうなるのか…とおそるおそる手を伸ばしたが、一撫でした瞬間にギュンっと角度も硬度も増したので閉口する。


 そうして膝丸のモノを扱き始めて数分。勃ち上がったそれは早くも限界寸前らしく、さっきからしきりに喘ぐ膝丸の嬌声がうるさい。

「〜〜〜っっ、あぁっ、あるじっ…!もっと、ゆっ、くり…!」

 ゆるゆると上下に擦っているだけでも慣れない他人の手による刺激は強いらしく、膝丸は涙を溜めて首を振っている。

「あ、あ、こわ、いっ…やめてくれっ…!」

 頼まれたからやっているのにこれでは私が膝丸を犯しているみたいだな、と内心後ろめたく思うが、ここで彼の言葉通り中断してしまったら意味がない。心を無にして先端のくびれを二本の指で擦っては、ぷつぷつと玉のように先走りの溢れる鈴口に指を這わす。手の中に感じる熱と硬さがどんどん増してヌチュヌチュといやらしい音が響く。ちらりと膝丸を見やれば手で口をおさえて声を我慢していて、この状況のあまりの卑猥さに変な気持ちになってきた。

「ふっ、う、ン、ン、〜〜〜っ!」
「……膝丸、気持ちいい?」
「はっ、あっ、あるじっ…きもちい……!」

 目尻まで赤く染めてうなずく姿になぜか胸がキュンと疼く。不規則に凹む腹筋が絶頂が近いことを知らせた。

「いっていいんだよ」
「や、ぁあ、こわい、っ」
「大丈夫、私がついてるから。それとも、こう言ったほうがいいのかな。……膝丸、『イけ』」
「っっああぁ゛ああ?!?!」

 念を込めて言葉を紡げば、膝丸は驚愕に目を見開き、次いでびくびくと痙攣した。手の中で膨らんだそれがびゅるびゅるっっと熱を吐き出す。わー審神者の言霊ってすごいなーと思ったのも一瞬で、勢いよく放たれた白濁は避ける隙もなく頭と顔にぶっかかった。

「う、ぁっ、〜〜〜〜はっ…」

 一度おさまったかと思えばすぐにまた弧を描いて飛ぶ大量の精液。顕現してからろくに発散していなかったのだろう、数ヶ月溜め込んでいただけあるそれはホースのように白濁を射出して止まらなかった。
 ようやく勢いをなくし、手の中のそれがくったりと萎える頃に、膝丸ははぁはぁと荒い呼吸をしながら私の惨状に気づく。

「………」
「あ、主っ…! なんてことだ…ああ、すまない…」
「……いや、だいじょぶだよ」

 とりあえず手入れ部屋の手拭いを拝借して頭から被った精液を拭う。風呂に入って寝間着も洗濯しなきゃな、と鬱々とした気持ちになる私とは裏腹に、初めての絶頂と性欲の発散を覚えた膝丸はつやつやと明るい顔をしていた。

「ありがとう、主……。とても気持ちが良かった」
「それは良かった…って、?!」

 感極まったらしい膝丸にぎゅうと抱き寄せられ、甘えるようにぐりぐりと頭を押し付けられる。いきなり男の胸に抱かれて硬直しつつも、汚れていないほうの手で軽く背中を叩く。

「次からは自分で処理するんだよ」
「む……もちろんだ! その、手間をかけさせてしまって申し訳ないな」

 膝丸は顔をほんのりと赤く染めて立ち上がった。その濡れた瞳に、先ほどまでの羞恥とは違う愛しげな色を見た気がしてドキッとする。ただでさえ、あんなに色っぽくて可愛い姿を目の当たりにしたら、膝丸を見る目が変わってしまいそうで困っているのに。

「おやすみ」

 いつもの調子を取り戻した彼は悠然と微笑み、精液まみれの私を残して清々しい顔で出て行った。




 翌週。


「膝丸さん、これはどういうつもりでしょう」
「起こしてしまったか。失敗したな」

 夜中、なにかの気配を感じて目を開ければ、枕元をのぞきこんでいる二つの金色と視線が合った。
 悲鳴を上げそうになった口を大きな手がおさえ、少々冷静さを取り戻して目の前の人物を観察したところ……誰かと思えば膝丸かよ。
 先のオナホ爆発事件から一週間も経っていないのに、夜這いとは。やはり平安太刀の考えることは違いますな。

「なにしに来たの…」
「うむ…話すと長くなるのだが」
「いや、眠いし簡潔に言って」
「君の顔を見ながら抜こうかと思ってな」
「ギャーっむぐぐっ!?」
「大きな声を出さないでくれ。夜警の者に見つかったら誤解を招く」

 誤解もクソもない、突如閨に押し入って来た男に襲われている図にしか見えないと思うのだが。私の安眠を奪った挙句とんでもない発言をかましても膝丸は悪びれる様子もなく、むしろ堂々と胡座をかいて私を抱き起こす。たいした大物だよ、ナニとは言わないけど。

「主、俺は君に危害を加えにきたわけではない。信じてくれ」
「分かった分かった。このことは黙っておいてあげるから早く帰ってほしい」
「そうもいかない。なにせ既にこうなっているからな」

 片手を取られてするっと撫でさせられたそこは硬く着流しの布を押し上げている。数日前に触ったのと同じ感触にひいっと喉の奥で悲鳴を上げた。

「まさかまた私に抜いてほしいの?!」
「違う。君のおかげでちゃんと自己処理はできるようになったぞ。だが、人の体とは罪深いな。一つの欲が満たされれば、さらにその上を求めるようになってしまう」

 膝丸は神妙な顔をしてなにか深いことを言ってるように見せかけてるけど、勃起した逸物を私の手のひらに押し付けていることを忘れてはならない。すりすりと熱持つそれを人の手で摩擦しながら、

「どうにも、君の顔を思い浮かべないと上手くいかなくなってしまった。最初は、あの日の君の顔や手の感触や思い出して己でしていたのだが……物足りなくなってしまってな」

 綺麗な言葉で表現しているが、要はズリネタにしていると告白しているわけだ。どこの世界に「君を思い浮かべてシコってます」と打ち明ける男がいるのか、やはり人と刀との感覚は異なっているのだろうか。
 しかし、あの夜の一件からどうにも膝丸が気になって仕方ない私はこの変態と突き放すことができなかった。こんなろくでもない発言をしても好感度はマイナスにならないのだから、顔の良い男はずるい。

「しかし君に迷惑をかけるわけにもいかないと思ってな。寝ているうちに済まそうと考えたのだが、起こしてしまったなら仕方ない」
「え?! うわっちょっと!?」

 がばっと後ろから抱き締められて首筋に顔を埋められる。秋の夜と同じひんやりした体温に鳥肌が立つが、

「はぁ……主はいい匂いがするな」

 耳の後ろに熱い息を吹き込まれてぞくぞくっと悪寒が走る。そのまま力強い腕に引き寄せられ、抵抗もできないまま両脚の間に挟まれて固定されてしまった。
 膝丸が私のうなじに鼻筋を寄せる。さらさらした前髪が剥き出しの素肌をくすぐり、身悶える。石けんの匂いとわずかに彼自身の体臭を感じて、あまりの近さに心臓がなだれ打った。

「主の匂いは癖になるな…質のいい霊気が香る」
「や、ちょっとっ、やめてよぉ」

 一度だけだと情けをかけた私が馬鹿だった。付喪神は本質的に人を好む、それが己の持ち主であれば尚更だ。主人に対する執着と愛欲をごっちゃにした彼らがどんな行動を取るか、一を与えれば十を求められるのは目に見えていたのに!
 くんくんと匂いを嗅がれる恥ずかしさに離れようとするが、がっちりと長い手足で囲まれて逃げられない。腰に押し付けられている硬いものがずり、と前後に動いて、一回り大きくなった気がした。


「は、あるじ……主ぃっ♡」
「うわあ…ぁ…」


 なにをしているのか一目瞭然だった。膝丸は私の背後でハァハァと息を荒げながらいきり立ったものを扱いている。時折腰にぶつかる手と性器の感触。余裕のなさを物語る吐息に、こちらまでおかしな気分になってくる…と思えばふいに膝丸の片手が胸元へ伸びた。

「ひゃんっ?!」
「はあっ、柔らかい…」
「や、やぁっ♡ なにするのおっ…♡」

 長い指がもにゅ、もにゅりと薄い寝間着ごしの乳房に食い込む。寝るときはブラを外しているから、男の手の動きに合わせて柔らかな肉がたゆんたゆんと揺れる。乱雑に膨らみをまさぐっていた手によって浴衣の合わせは簡単に開かれ、とうとう冷たい手が直接乳房を掴んだ。

「ああ、主の胸は、斯様な心地なのか…。この肉に俺を埋めれば、どんなに気持ちいいだろうか」
「あっんんっ…むね、揉んじゃやっ!」

 フーフーと獣じみた息がうなじにかかる。手のひらに吸いつく肌の感触を楽しむように、緩急をつけてギュウッと乳房を握りしめられるのが痛くて気持ちよくて、勝手に腰が揺れる。

「? 此処だけ硬く尖っているな。赤く腫れているような気がする」
「やあっ?! それ、ちがうっ♡ 乳首っさわっちゃ、らめぇっ♡」

 クリクリクリっと二本の指でつままれて硬くしこった粒を潰される。無知を装っているのか、確信犯か、膝丸は赤く尖ったそこをピンッと弾いたりキツく引っ張ったりしては、嬌声を上げる私を嬉しそうに眺めている。

「気持ちいいのか?」
「〜〜っっ♡♡♡ わかってる、くせに…!」
「分からないぞ。俺は肉の体には疎いのでな。女人の身ならなおさらだ」

 べろりと生温かい舌に首筋を舐め上げられてひゃんっと変な声が出る。すっかり力が抜けてしまって男の体にもたれかかると、薄い布ごしに硬く勃起した陰茎が当たる。さっきより熱くて、すごい、胸揉みながら興奮して扱いてたなんて。雄の欲望を痛感して頭がクラクラしそうなのに、膝丸はさらにぐりぐりと擦り付けオナニーでもするように私の腰にそれを押し付けてきて、濡れた感触が広がっていく。

「はああっ…かたい…っ♡ おちんちん当てないでぇ…♡」
「主、教えてくれ。俺は君にも気持ちよくなってもらいたいんだ」

 低い切なげな声で囁かれては駄目だった。拙い手つきで胸を揉みしだかれ、硬い腰を押し付けられ、キュンっと体の中の雌が反応する。あまりにも淫靡な空気に飲まれて、歯止めをかける理性はぐずぐずに蕩けてしまった。乳房を弄っていた膝丸の手を取って下半身に誘導する。

「あ…♡ ちくび、きもちい…けど、ここ触って…♡」
「ん、ここか? 女人もここを触られると気持ちいいものなのか」
「あっ!んぁあっ♡ あっ、あぁ…♡ 」
「主の股は俺とは違って突き出してはいないのだな。というか…ここに、穴が開いているのか?」
「〜〜〜〜ぁっっ?! ゆびっ♡ ゆびはいっちゃ、ああンっ♡」

 ぬるぬるに濡れて下着の布が張り付いた秘部を擦られるだけでも気持ちいいのに、ドロリと蜜を吐き出すそこに指先を入れられてしまって甘い電流が走る。不思議そうに穴の周辺をカリカリと引っ掻いたり、下着ごしに指をぬぽぬぽと差し込んだり…好き勝手に遊ぶ膝丸は私の反応を見て楽しんでいる。

「おお、ここを触るとたくさん汁が出てきたな。穴もヒクついているようだ」
「あっぁっ!やぁッ! クリ、さわっちゃ、ああンッ…!」
「……主、君のここがどうなっているのか見てみたい。いいだろう? 直接見て触れば、もっと気持ちよくさせてやれる」
「ンっ…、えっ…? ちょくせつ…?」

 わずかに正気が戻ってきて後方を振り返る。駄目だ、それは。刀剣男士と一線を越えることは審神者の規約で固く禁じられている。まかり間違って膝丸のちんぽが入りでもしたら一巻の終わりだ。

 だけど、振り向いて見た膝丸の目が。ぎらぎらと獰猛な獣のように光って、有無を言わさない迫力で私を見据えていたから。
体の奥が疼く、子宮が炉心のように熱くなる。
この男に良いようにされたい。と本能が喚いている。

 『だめ』と言わなければ。審神者の念を込めた言葉には刀剣男士を縛る力がある。人ならぬ猛者たちを属隷させ、意のままに操ることが可能な力。こんなことは終わりにして、もとの健全な刀と主としての関係に戻ろう、と言わなければならないのに。

「『挿れるのは、駄目』だよ…」

 紡ぎ出せたのは、これが精一杯だった。

 返事もせず膝丸は私の肩を掴んで布団に押し倒す。ドサリと覆い被されて危機感を覚えるより先に、夜闇の中に浮かび上がる鋭い目に、お腹の底からぞくぞくと興奮が込み上げてくる。
 力の抜けた脚は簡単に開かれて、かろうじて秘部を覆っていた下着を呆気なく脱がされる。ツゥッと引いた糸は途中で切れて代わりに布団の上に染みを落とし、とうとう濡れそぼったそこが曝け出されてしまった。

「主のここは割れているのだな。夜目が利かないのが残念だが、濡れて光っていていやらしいな」

 興味津々な膝丸が肉の重なりを開いてぱかりとそこを丸出しにする。割れ目に合わせてゆっくりと撫で回し、肉襞をめくった拍子に隠れていた陰核を剥き出しにして。ひんやりと冷えた空気に敏感なところが晒され、期待に慄く暇もなくツンッと弾かれた。

「あっあああっ!!! ゃ、ぁひッ、ひゃ、ああんっ♡」
「やはりここが好きなのだな。主が先日俺にしてくれたお礼だ、たっぷり可愛がってやろう」
「やぁっ…そんな、いっぱいされたらぁ…っしんじゃう…」

 どんどん腫れて硬くなっていく陰核はコリコリとしていて、指の腹でトントン刺激されるだけで体が仰け反るほどの快感が走る。膣口からはとろとろと熱い汁が溢れ、膝丸はソレをたっぷりと指ですくい上げると、くちゅくちゅと音を立てながら充血したクリトリスを捏ね回してきた。愛液でぬるつく指の間に挟んでゆっくり上下に揺さぶられると、頭がおかしくなってしまいそうな快感につま先が丸まる。

「んっあっあぁ♡ あ、やッ♡ だめぇっ!クリこわれるぅ゛っっ…」
「駄目? 心がこもっていないな。そんな言葉では俺を縛れぬぞ?」
「ゃああっ…ごめんなさ、い、うそ……♡ あっ、ああっだめだめ……っイッ、ちゃぅ……♡♡♡」
「はっ……いやらしい、君のそんな姿を見ていたら我慢できない…!」

 言うなり膝丸は空いているほうの片手で猛った陰茎を扱きはじめた。忙しなく肩を上下させながら私の股の間で自慰に耽る。異様な光景なのに、美しい顔を欲情に歪め、牙を剥き出し、獣性を隠しもしなくなった膝丸の姿に興奮を掻き立てられてしまう。骨ばった手が赤黒く膨れた陰茎を掴み、目の前でめちゃくちゃに扱かれるたび先端から溢れる汁が全体に塗り込められて広がっていく。
 ぬらぬら光るソレが卑猥で、グロテスクで、あんなのを見せつけられたらたまらなかった。


 挿れたい。あのおっきいおちんちんでお腹の中掻き混ぜられたい。何度も何度も気持ちいいところ突かれて、イッても泣いても止めてもらえなくて、ぐちゃぐちゃになるまで苛められたい。

 蕩け切った頭で「膝丸の、ほしい…」と口走った瞬間、己の失言にハッとしたが、幸いにも膝丸には聞こえていなかったようだった。ぽたぽたと滴った汗がお腹の上に落ち、余裕なさげに力いっぱい陰茎を扱きながら私を見下ろす。

「は、はぁっ…あるじッ…主に出したい…。イきたい…、君も、一緒に…」
「あ、ぁっ…、わたしも、イキた…ぃっ?! あ゛っ♡ い、あぁっ♡」

 ずぼっと指がナカに侵入してきた。刺激を待ち望んでいたそこを男の指に乱雑に擦り上げられ下半身が跳ね上がる。キュウキュウと締め付けるヒダを無理やり引き剥がされて身悶えれば、唐突に二本の指が挿入されてぐるりと掻き回され、裏側から陰核の付け根あたりを激しく擦り始めた。 びりびりした電流みたいな快感が腰を突き上げて目の前が白く染まる。

「あぁあああぁッ〜〜!!」
「っあるじ、は、出る、あ…うっ…!」

 びくん、びくんと痙攣する体の上に熱いものがぶちまけられた。真っ白に塗り潰される意識の中、覚えのある青臭い匂いが鼻をついて、欲を吐き出されたのを知覚する。勢いよく飛び散ったそれは下腹部から胸のあたりまで一直線に染め上げた。
 ぺろりとそれを一舐めして、苦い味に本能が疼く。

「……ぁ、んぁあ……。ひざまる……♡」
「はぁ、はあ、…ああ……♡ 気持ちよかったな…。やはり主を見て、主の肌に触れながらするのは最高だ」
「ん……うん。もっと…♡」

 もっとして。久しぶりに火のついた体は一度きりの絶頂で満足するわけがなかった。イッたばかりのそこが早くもひくひくと動いて雄をねだる。もっともっと、太くて硬いものでお腹の中を満たしてほしい……もう、命令なんてどうでもいいから、無理やり押さえつけて突っ込んで犯してほしいーー


 しかし、


「寝込みを邪魔してすまなかった。君のおかげでよく眠れそうだ。おやすみ、主」

「え……」

 膝丸はもう用は済んだと言わんばかりのスッキリした顔で微笑み、てきぱきと服を直すと立ち上がる。
 またもや精液まみれの私を置いて颯爽と出て行ってしまった。
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