固いトゲトゲした性器が、お尻の割れ目にぐりぐりと押し付けられる。

「ひっ! ま、まさかそれ、挿れるつもりなの…?!」

 トゲトゲがお尻の穴をくすぐって悪寒が走る。さすがの私でも成り行きを察した。

「こちらを使うのは初めてか?」

 膝丸の指が後ろの穴に引っかけるみたいにカリカリと擦ってくる。だってそこは入れるところじゃないよ! 柔軟性のある膣だって膝丸を受け入れるのにぎりぎりなのに、生殖器ではない肛門でそのぶっとい蛇ちんぽを受け入れられるはずがない。

「初めてだよ!! 無理! そんなの挿れたら本当に裂ける!!」
「そうか。主の初めてをもらえるのか。嬉しいなあ」
「人の話聞いてる?!」

 この蛇野郎私を股裂きにでもするつもりなのか。私の体はお前と違って手入れでは治らないんだぞ。半泣きになって抵抗するが、まさにこの瞬間も凶器のような蛇ちんぽを子宮に届くまで埋め込まれている状態なのである。体をよじらせればみっちりと押し広げられた膣内でトゲトゲが捻れて性感帯を引っ掻き回すのだ。暴れれば暴れるほど追い込まれていく。

「あっ、うぁっ、やだぁ!! お尻裂けちゃうよぉ…! うっ、痛いのはやめてって約束したじゃない…!! 膝丸の馬鹿…! 嘘つき…二枚舌…!」
「………」

 床に突っ伏してえぐえぐと泣きはじめた私に、性欲の塊みたいな蛇男もさすがに冷静になってくれたようだ。

「……すまない、主。君を苦しめるつもりはないんだ」

 膝丸がそっと背中に覆い被さって抱き締めてくれた。なめらかな肌と体温を感じて少しだけ気持ちが落ち着く。髪を掻き分けてうなじのあたりに口付けてくれる所為が優しい。

「一瞬だけ痛いかもしれないが、我慢してくれ」

 え? と思った瞬間、首の付け根に鋭い痛みが走った。
 続いてやってくるのは灼熱感。そこから急速に熱い感覚が血管をめぐって全身に広がっていく。
 咬まれたのだ。牙から毒液を注入されたのだと気づく。瞬く間に全身をめぐった蛇毒が体を弛緩させ、突き刺さっていた牙が抜かれたときにはもう痛みを感じなかった。

「ひざ、まる……なに、したの……」
「神経毒だ。どうやら今の俺は毒の強さを加減できるようでな。これで君の痛覚はしばらく麻痺し、筋肉の緊張も解ける」

 ぞっとした。つまりこれで強引にでも膝丸の性器をぶちこめるということなんだろう。傷口をぺろぺろと舐めていた蛇舌が名残惜しむように離れ、膝丸が体を起こす。代わりに自分の口に指を突っ込んで濡らしたらしい、唾液だか蛇毒だかでぬるついた指を私の穴にねじ込ませていく。異物感。うっと息を詰めたが案外すんなりと最初の指を呑み込んでしまう。蛇毒恐るべし。

「主の中はどこも熱くて柔らかいな…君の中に二本とも挿れたらどんなに気持ちいいのだろう」
「や、やだっ……指、こわい」
「大丈夫だ、毒液で湿らせておくからな」
「あっ、それ、その蛇毒、媚薬にもなるんでしょ…!」

 神経毒になったり媚薬になったりと得体の知れない蛇毒をあちこちから注ぎ込まれて。探るように腸壁を撫でられるそばから熱く痺れるような感覚がじわじわと込み上げてくる。

「指を増やすからな」
「あっ、ひぃっ…だめだめ…!!」
「嫌がる割にはもうこんなに広がっているではないか」

 二本の指でぐぱっと穴を広げられても痛みはなく。外気にさらされた腸粘膜が、ふるふると助けを求めるかのように蠕動するのがもどかしい。指を抜き差しして奥から穴の辺縁まで擦り上げられるうちに、悲鳴ではなく明らかに熱を孕んだ嬌声が自分の喉から漏れて愕然とした。

「ふ…主の体は本当に厭らしいな、俺を欲情させるためにあるかのようだ」

 低く荒々しい余裕のない声と共に、熱の塊が入り口に押し当てられる。指で広げられたすき間からトゲが鋭く入り込んだ。蛇の性器の切っ先がとうとうねじ込まれてしまう。

「むっ…無理無理!! そんな大きいの入らないって!!」

 ずりずりと腰を揺らして逃げようとするが、そんな抵抗が今さら通じるわけもない。両手でお尻の肉を掴まれて、押し潰すみたいに思いっきり広げられた。

「すぐ良くなるだろう。ちょっと、大人しくしていてくれ」

 悲鳴すら潰されるほどの圧迫感。体重をかけて打ち込まれたトゲだらけの陰茎が、ついに後孔をめいっぱい拡張させて強引に侵入を果たした。めりめりと、体内に嫌な音が響き渡る。異物が侵入してくるべきでない場所に人外の一物をぶちこまれて、未経験のそこがそうそう耐えられるはずもない。しかし、

「うああぁぁぁっ?!?! い゛っ…?! あ……なんで…!!」

 痛くない。なんで。なんでむしろ気持ちいいの。
 肛門の筋肉は蛇毒を打たれてなおキツく収縮 し、異物を押し出そうと全力でもがいている。ぎゅうぎゅうと固い肉の楔を締め付ければ締め付けるだけ腸壁にトゲが食い込んで辛苦が増すというのは分かっているのに、体は言うことを聞いてくれない。
 奥まで太いもので満たされた腸内はうねり、蠕動して、必死に抵抗するが、臓器の動きなどで雄の力に抗えるわけがない。

「ああ主っ…! 二本とも受け入れてくれたな…♡」

 恍惚とした声が上から降ってくる。ぎちぎちに広がって悲鳴を上げている肉の道をゆっくりと擦り上げられると、敏感な肛門の入り口をトゲが次々に潜っていき、反射的にお尻の筋肉は痛いほどに収縮した。

「っ、力を抜いてくれ。毒で弛緩しているのにこんなに締めるとは…」
「っがッ…ぐるし、無理…!」

 引き抜かれた性器が再び強く打ち込まれれば、思い出したかのように子宮が殴打される感覚に背がびくびくと跳ねる。そうだ、両穴を犯されているのだった。

「っはあっ、主の中は気持ちよすぎておかしくなりそうだ…」

 膝丸が体を倒して背に乗ってくる。うつ伏せのまま抱きすくめられ、固い腕と胸に潰されて動きを封じられる。さらに蜘蛛足が周りを囲み、檻のように床に突き立てられた。

「こうして、主を体中で感じることができて幸せだ」
「あっあひぃっ…!!たすけ…てぇっ…」

 耳元で荒い声を聞きながら、すり鉢かなにかのように強く蛇腹をなすりつけられ、内臓の奥のほうまで荒っぽく削られてしまう。膣と直腸との間の肉壁を挟んで二本の剛直がごりごりとぶつかり合う。固い肉棒でお腹の中を容赦なく責められ、苦しいはずなのに快感ばかりが増長して手足の先まで震えさせる。

「あっあ、ぁ…!♡ だめっ…! きもちい、きもちよすぎてだめなの…!!♡」
「主も気持ちよくて、俺も気持ちいいならっ、なにも駄目ではないだろう?」
「んんっー!! だめだよお…!!♡ ひざまる、膝丸のちんちん、きもちよすぎてだめ、お腹の中、膝丸の形になっちゃう…!!」
「ははっなんの問題がある? これから主は俺としかしないのだぞ?」

 意味深な言葉を吐かれるも理解する思考能力など残っておらず。床と膝丸に挟まれてずりずりと内も外も摩擦され続ける。気持ちいい。ひっきりなしに快楽をぶつけられてとうに限界を超えた体は、嗚咽だか嬌声だか分からない声を漏らし、時折背を震わせて絶頂するのを繰り返すのみ。

「主、あるじ、俺のを突っ込まれて達している君の可愛い顔を見せてくれ」

 嫌だ、こんなみっともない顔見てほしくない! と思ったのも束の間で、涙と汗と唾液でべちゃべちゃになった顔を掴まれて横に向かせられてしまう。涙でにじむ視界に蛇舌を突き出して苦しげに息をつく膝丸が映るやいなや、唇を奪われてしまう。

「ん……っむ…」

 甘い。歯の裏に舌を回して溜まっている唾液を吸い取る。甘く感じるのは蛇毒だ。飲んではいけないと思いつつ喉が動いてしまう。案の定、飲んだそばからますます体が熱く過敏になって快感の指数が増す。
 もう駄目。膣もお尻も膝丸の形を覚えて、その異形の性器をみっちりと咥え込んでトゲの一つ一つまで丹念に貪っている。ぬるんと引き抜かれるたびに拡張した腸壁はひくひくと痙攣しながら収縮をはじめるのだけれど、完全に閉じる前にまた蛇ちんぽをぶちこまれてしまう。絶頂のたびに子宮が下りて、射精を強請るかのように膝丸のものを上からつつく。ずっとその繰り返し。

「あうぅッっ!!♡ も、イきたくないっっ! くるしいよぉ! ひざまる、はやくイってぇ!!」
「っっ、はっ、はは、つまりこのまま中に出していいんだな?」

 中、ああ、今度は膣だけでなく腸までも汚されてしまう。こんなにいっぱい精液出されたら本当に妊娠してしまうかもしれない。
 でも、中に熱い雄の精を注ぎ込まれる快感、あれが二倍になるのだと想像すれば、理性より先に本能が歓喜した。

「なか、あ〜〜っ♡ なか、出してっっ! ほしいっ!! 膝丸の精液ほしいのっっ!!!」
「はぁッ、ならばくれてやる、ぐっ、孕め…俺の嫁になり、腹を膨らませて、俺と愛しあった証を皆に見せつけてやろうではないか…!!」

 ばちん! と一際強く打ち付けられた瞬間、熱いものが噴き出してきて同時に頭の中が真っ白になって絶頂する。二度目の射精だというのに少しも勢いを衰えさせない奔流が腹の中を白く汚していく。精を吐き出すたびにびゅくんと跳ね上がる二本の陰茎が肉壁を殴打し、挟み込むかのようにぶつかり合う刺激にまた達する。どぷっどぷっとぶちまけられた精液が膣と腸内に溢れ返った。

「……あ゛んッ…なか、熱い……ん、ぐぅ、赤ちゃんできちゃうっ…! 孕んじゃう…っっ!」
「っ…ッ、これで満足か? 嬉しいだろう?」

 膝丸はひくひくと痙攣するのみの私にしばらく体を重ねて快楽の余韻を味わっていたが、じきに体を起こす。ゆっくりと肉棒を引き抜けば名残り惜しむかのように肉襞が絡み、吸引力を示しながらもじゅぽんと離れた。とたんに、ピンク色の内壁を見せつける肉穴からは、どろーっと白濁液が溢れて細い糸を引く。大量の精子が床にこぼれ落ち、白い斑点を作った。

「はぁ…あ……、膝丸……」

 ずっとうつ伏せで潰されていたから体が痛い。私は横向きに反転して彼を見上げ、陰部を白濁まみれにしてだらしなく両穴から子種汁を垂らしつつ、いまだ抜けきらない快感に恍惚としていた。

「主、俺の子を孕んでくれるんだな。……いや、今回で孕まずとも問題はない。時間はたくさんあるからな。もう君は永遠に俺のものだ」
「ん……? 膝丸…?」

 なにか物騒なことを言われているような……。深い意識の片隅では警報が鳴っていたが、快楽漬けにされ蕩けきった状態では危険を感知することができなかった。
 それより、彼が優しく髪を撫でてくれる。心地よい感触と疲労感が眠気を助長し、このまま眠ってしまいたいと思ったが。

「………」

 膝丸の蛇腹から飛び出している突起が、いまだにぴんっと上を向いて尖っているのが見えた。

「まだ、勃ってるの…?」

 というかこんなに交わったのにまだ人の姿に戻らないの? 大量に射精したよね?
 私の疑問に答えるかのごとく、膝丸が笑みを浮かべて私の太ももを掴む。あっさりと恥部を開かれて、体液まみれの肉槍をちゅっとくっ付けられる。

「まだまだ溜まっているんだ。俺の気が済むまで付き合ってもらおう♡」
「ひいっ……!」

 蛇の交尾は数日間続くのだと知ったのは後日のことである。




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