柔らかな毛筆のような蜘蛛の足。それがゆっくりと背筋を愛撫するくすぐったさに身をよじる。と、私を巻きこんだ蛇体が絶妙なうねりを繰り出し始めた。ぐねぐねと淫らにうねる太い胴に包まれて、あろうことか性感が刺激される。

「んっ…!?♡ やっ、やんっ…」

 その独特の振動が、全身の細胞のかたちを崩してしまいそうだ。筋肉を揉みほぐすような、内臓に響くような、苦しいのと気持ちいいのと中間くらいの力加減で蛇の胴が揺れる。ぬらぬら光る鱗の下では固い強靭な筋肉が波打ち、収縮を繰り返している。なめらかだが力強いその動きがたまらなく…視覚の興奮を掻き立てる。なんてえっちなの。

「あっ、きもちい、膝丸っ、あ、あっ」
「そうか。この忌まわしき蛇体で感じてくれているのだな。君に喜んでもらえて嬉しいぞ」

 ぶるぶると体の芯まで小刻みに揺さぶられて子宮にまで振動が響く。挿れられてもいないのに、ましてや恥部を触られてもいないのに、体表からの振動が体の奥に伝わって確実に雌の弱いところを攻め立てられている。媚薬の効果も恐ろしい。全身が性感帯になってしまったかのようだ。
 いつの間にか大きく開かれた左右の足に、膝丸の尾がぐるぐると巻きつく。そのまま腹へ、胸へ。ひんやりした蛇の胴が前後に動いて、熱く過敏になった体を刺激していく。開かれた股の間からはとろとろした液体がこぼれて、再び擦り上げてもらえるのを今か今かと待ち構えていた。

「主はずいぶん物好きだな。蛇に体を弄られてこんなに蜜を垂らしているのか」
「あっ! そこ、やぁ、しっぽぉ♡」

 ついに尾の先の一番細いところが、にゅるんと割れ目に食い込んできた。綿密な神経と筋肉の張り巡らされた蛇の尾は、人間の指なんかよりずっと繊細に動き、可動域の幅も広い。肉の重なりを掻き分けて上下左右にぐねぐねと、秘豆をすり潰すみたいに圧迫してくる。愛液でたっぷり濡れた入り口の穴に、固い鱗をずりっずりっと擦りつけられて背が反った。

「あっあっあぁ♡ やらっ、それっ、こすっちゃやだぁ!」
「尾は嫌か? 痛かったかな、すまない」

 本当は痛くもないし嫌でもないのに、私を気づかってくれたらしい膝丸は尾での刺激をやめてしまう。ゆっくりと引かれた尾が視界の端に映った。吐き出された透明の粘液で濡れ、鱗の一枚一枚をつややかに光らせている。己の体がいかに興奮しているかを見せつけられた気がして、恥ずかしさに顔が熱くなった。
 嫌だ、もっと触って。嬲ってほしい。もどかしさに己の手でそこを慰めようにも、蛇体に縛られて身動きは取れない。泣きそうになりながら懇願しようかと思ったところで、ぐるんと視界がひっくり返った。
 天井が映る。どうやら、蛇の胴に絡め取られたまま仰向けにひっくり返されたようだ。しかもずいぶん屈辱的な体勢になっている。いわゆるM字開脚の格好で大きく足を開いて固定され、手も頭の後ろで縛られている。

「なっ、なにするの…?!」

 返事の代わりに、剥き出しになった秘裂を真横にぷにっと押し広げられる。ひっと息を呑んだ瞬間、熱くて湿ったものがそこを一気に撫で上げた。

「なんとも物欲しそうにしているな」

 膝丸の姿は見えない。だが秘部にかかる熱い息を感じて、股の間に陣取っていることは分かった。なにをする気か察してぶるりと悪寒が走ったがもう遅い。長い舌が期待でヒクつく陰唇を覆い尽して蓋をする。舌先の二本に分かれたそれが、器用に肉襞を掻き分けてじゅぷじゅぷと愛液を啜り取りながら動き出す。そのままどろどろになった穴ごと陰部全体を吸われれば、目の前が白くなって絶頂に達する。

「うあぁっっ! あぅッやだやだぁ! イっぢゃう、ああっ!♡」
「っ、すごいな、主はこの膨らんだところを弄られるのが好きなのだな」
「あんっっだめだめ!!」

 痙攣する腰を押さえつけ、膝丸はお構いなしに舌を這わせてくる。充血してぷっくりと固くなった淫芽を二つに分かれた舌で挟むと、くにくにと形を変えるみたいに揉みしだき始めた。
悲鳴じみた嬌声が漏れる。しっぽで縛られた足がガクガクして、宙に浮かされたまま力が抜けてしまう。こんなの抗いようがない…! 蛇体で縛られ蛇舌で挟まれ。それだけでも再度イってしまいそうなほど気持ちいいのに、舌先で包皮を捲られ、とうとう剥き出しにされた陰核を軽く甘噛みされれば、ぷしゃっと勢いよく飛沫のようなものが噴き出した。
 嘘だろう。潮なんて噴いたことないのに。仰け反った体がビクビク跳ねるが、雁字搦めに縛られた手足ではろくに身動きが取れず。快感を逃がすことすらできやしないのだ。

「ひっ、ひああっ♡ も、無理…!」
「まだいけるだろう? もっと善くしてやるからな」

 ぢゅるぢゅると下品な音を立てて溢れた体液が吸われていく。代わりに唾液を乗せた熱い舌がぬかるんだ膣口の縁をゆっくりと這い、尖らせた舌先が二本まとめて侵入してきた。膣内が一気に焼けつくような感覚に襲われる。熱い…! ひりひりする、なんだこれ。半分思考の飛びかけた頭の中で疑問符を浮かべたが、すぐに理解した。

「あっ♡ へび、蛇毒、なかにいれないで…! あっあついっ!」

 だってそれ媚薬効果あるんでしょう。そんなものを敏感な膣粘膜に流し込まれて子宮にまで届いてしまったらと、想像しただけできゅんと腹の奥が疼きだす。

「悪いが、俺の一物を受け入れてもらうためにも慣らしておかないとならない。っ、と、動かないでくれ、君の女陰に新しい穴が空いてしまうぞ」

 牙が直接陰唇に押し当てられて、ぽたぽたと毒液を塗りつけられる。今はくっつける程度の本当に弱い力だけれど、変に暴れたりしたらその鋭く長い牙が柔肉を突き破って穴を空けてしまうのが容易に想像できて肝が冷えた。
 執拗に蛇毒を膣壁になすりつけられ、中を擦られて気持ちいいはずなのにもどかしさがどんどん膨張していく。
 蛇の尾の中で泣きながら身悶えていたら、いきなり陰核に引っかけるみたいに牙を立てられ。電流が走るみたいな快楽に、為すすべもなく絶頂に押し上げられた。

「ぅああっぁああっっっ!!」

 叫んだとたん奥まで突っ込まれていた舌が勢いよく引き抜かれた。熱い液体が糸を引いて垂れるのが分かる。

「んっ、ふ…、そろそろいいだろう。俺も限界だ」

 獣じみた荒い息を吐きながら、膝丸は私の愛液でびしょ濡れになった口元を拭う。絶頂の余韻でぼうっとしている私を引き寄せて蛇体での緊縛を解き、腹の上に座らせた。
 荒っぽく抱き寄せられた腰のあたりに突起物が触れる。とうとうこれを挿れられてしまうんだ…と実感すれば恐ろしさより先に子宮が期待に疼く。恋仲でもないのに交わってしまうんだ。私は主なのに、刀に…いや、今やこの蛇と蜘蛛の化け物と成り果てた膝丸に、貫かれてしまうんだ。背徳感はますます劣情を昂ぶらせるだけで、早く奥にぶちこまれたいと腰を悶えさせたとき、ふと違和感に気づいた。
……右側にも左側にも固いものが当たるんだけど。

「はぁはぁ…主…今からこれを挿れるからな…♡」

 視線を下ろせば、膝丸が手に握っているものが目に入ったのだが。

「………」

 恐ろしいものの片鱗を見た私は目をそらし、膝丸の顔を見つめた。
 幻術か?

「どうした? やはり恐ろしいか? 大丈夫だ、優しくするから」
「いや、違くて。そ、それが、膝丸の……」

 おぞましい形をした物体におそるおそる目をやる。

「ああ…話していなかったな。蛇の性器は二本あるんだ」

 どうやら私が見たものは本物だったらしい。そういえば蛇はヘミペニスといって陰茎が二本あるのだということをこの瞬間に思い出した。が、まさか膝丸がここまで蛇化しているとは。まったく理解の範疇を超えたその性器は、蛇腹の切れ込みから二本、ぴょいんっと飛び出していた。問題なのは数だけでない、特筆すべきはその形である。人間の陰茎のように先端が膨らんでいるわけではなく、先細りの楕円形のような形状だが、その表面にはびっしりとトゲが生えているのだ。おまけに太さは私の腕くらいあるし長さだってふつうの人間の男より一回りは大きい。
 膝丸はその片方を握って私に押し付けてくるのである。

「もちろん挿れるのは一つだけで構わない。さあ、力を抜いて俺に身を委ねてくれ」
「ちょちょちょっと待ってーー!! ストップ!! それは無理! 本当に無理、破ける!!」

 そんな凶器のようなブツを挿れられたら膣が裂けてしまう! そのトゲトゲはなんだ、返しみたいになって抜けにくくするやつじゃないか。

「膝丸、それは無理だよ…! 大きいしトゲトゲしてる…! 絶対に痛い!」
「心配するな、このトゲは案外柔らかいぞ」

 ぴんっとトゲを指で弾く。どうやら弾力のある肉の突起のようなもので、よく見ればさほど尖っているわけでもない。膣に引っかかって血みどろになる心配はなさそうだが…しかしそれでも大きいものは大きい。

「でもでも…っ、そんな大きいの、入んないよ…」

 泣きそうになりながら訴えると、膝丸は私を見据えて昏く瞳を光らせた。そこにうっすらと滲む嗜虐の悦びと雄の荒ぶる獣欲を見てしまって、ぞくりと背筋にわななくものを覚える。

「煽っているのか?…主は、本当に俺をその気にするのが上手いな」

 吐息を多く含んだ熱っぽい声に耳元を撫でられ、甘美な痺れに意識を持っていかれそうになったそのとき、突如左右から闇色の多足が迫ってくる。わしゃわしゃと群れを成して襲ってきた蜘蛛足は私を絡め取り、軽々と体を釣り上げてしまった。
 呆然としているうちに秘部を片手で広げられる。勃ち上がった陰茎の先端が、剥き出しにされた秘裂にぬるぬると押し付けられた。興奮を表すように蛇の尾は忙しなく床を叩いてのたくっている。

「挿れるぞ」
 
 有無を言わさぬ迫力を携えた宣言に、下半身が慄いて逃げようとする。

「あ、あ…駄目…」
「もう遅い、何と言おうとこれで君を貫く。人では到底触れることのできない奥の奥まで犯し、俺の形に作り変えてやろう」

 ぐち、と肉の触れ合う粘着質な音が耳に障る。そのまま濡れた粘膜同士を睦み合わせるかのごとく、先走りの滲む先端で陰唇を撫で付けられる。張り出した弾性のトゲが柔肉を削り、すっかり固くなっている剥き出しの秘豆に食い込んだ。暴力的なまでの快感に悲鳴を上げながら手足をばたつかせるが、暴れれば暴れるだけ蜘蛛の足に肌をくすぐられる始末。
 すっかり愛液でぬるぬるになった膣口に、欲を募らせた陰茎が押し当てられる。こじ開けられた中の襞に無数の突起が潜り込んでくるのを感じるが早いか、ぐんと蛇の腹が力強くしなって、肉杭が一息に打ちこまれた。
 柔らかくみっちりと詰まった膣内の肉を掻き分け、重量を持つ太い剛直が子宮めがけて押し入ってくる。びっしりと生えたトゲが容赦なくきつい膣肉の襞を掻きむしる。

「〜〜〜っっあっあ!! やだやだあ゛ッ!!」
「まだ気を遣るには早いぞ、あと半分あるからなっ」

 子宮口をごつんと穿たれ、お腹の中がいっぱいになる圧迫感を覚えてもなお侵入は続く。人外の大きさのものに膣の筋肉がぎゅんぎゅんと悲鳴を上げながら、しかし雄の欲望をぶちこまれる歓喜で拡張し、肉槍を懸命に咥え込もうとする。根元まで強引に挿入されてしまえば雌穴は完全に禍々しい蛇の性器の形に変形していた。

「入ったな、っ、喰い千切られそうだ、主の中はこんなにキツいのか」

 それは膝丸のが大きいせいだよ…。あの凶器のようなものを呑み込んでしまったのだと、意識の片隅で理解するがまるで遠くのことのように感じる。苦しい。苦しいけれど痛みはなく、むしろじわじわと征服されるような快楽が広がっていく。上からも下からも飲まされた蛇毒のせいだろうか。
 息を吸って吐くだけに必死になっていると、蜘蛛足が器用に折り畳まれて私を前屈させる。下腹部をのぞきこむような格好にさせられて、膝丸と私の結合部が目に飛び込んできた。

「主、見てくれ。君の穴が俺のものをすっかり咥えこんでいる♡ ああ、主と一体になれて嬉しいな♡」

 屹立したグロテスクな蛇の性器が、私の股間に深々と突き刺さっているのだった。赤く濡れた粘膜に太い肉棒が食い込んで、小さな穴を真円状に変形させている。規格外の大きさのものをぶちこまれたお腹はぼっこりと膨らんでしまっていた。
 ずり、とトゲトゲの肉が軽く引き抜かれて、ピストンを開始しそうな予感を察した。

「ひっ膝丸!まだ動かないで…! お腹破れそう…壊れる!」

 私は慌てて制止の声を上げる。

「お、お願いだから、少し待って! せめてもうちょっと慣れてから…」
「むぅ…しかし挿れたまま動けないのは辛い。中を擦りたくてたまらないのだが…。そうだな、ならば君に何度か気を遣ってもらって中を蠕動してもらおうか」

 言うなり、蜘蛛の足が体中を這い始める。筆で肌を撫でられているような感覚だが、媚薬で敏感になっている体にはその刺激すら激しすぎる。

「ほら、俺は動かないから、主が中を動かして俺を愉しませてくれ♡」
「うあぁああっッ!♡ ひぃぃ!」
「主はここを弄られるのが好きだったな」
「あっあああっ〜〜!! クリ、さわっちゃだめぇっっ!」

 ぱっくりと押し広げられてしまっている陰唇に指を這わせ、固く勃起している粒をぐりぐりと押し潰してくる。ぬるんと滑って逃げようとする淫芽を体液をたっぷり掬った指が上下左右に弾き、執拗に苛められると、中が反応してぎゅうっっと締まる。

「ひっっ!! あ゛っっ…イく、やらぁっ!!」

 絶頂と共に収縮する膣壁が、媚びるかのように膝丸の性器に絡みつく。隆起したトゲの一本一本を抱き締めて肉襞に埋めようとするかのごとくキツく密着すれば、戦慄じみた快感が全身を駆けめぐった。

「ぐっ、締まるなあっ、扱かれるようだ」
「あっあっ!♡ 膝丸の、とげ、きついっっ!!」
「この調子でもっと中を動かしてくれ♡」

 ひぃひぃ喘いでいる私の体中を蜘蛛の足が這い回る。そんなたくさんの腕でいっぺんに愛撫されたらひとたまりもない。何人もの男の手で嬲られているような錯覚をおぼえる。それだけで神経を撫でられるような快感なのに、膝丸が私の胸を掴んで先端の突起にちゅっと吸い付いてきた。触られてもいないのにぷくんと膨れていた乳首を蛇舌で真ん中に挟んで転がしてくるからたまらない。

「あ゛ぅっ!!イく……イッてるからっ!! も、ゆるして!! …ん、あ゛っっ?!?!」

 いきなり、蜘蛛足がぐいっと私の体を持ち上げた。返しのように生えたトゲが肉襞に引っかかり、中全体をえぐりながら強引に引き抜かれる。膣洞が裏返ってしまいそうな感覚に頭の中が白くなる。

「ゔ、あッ…動かさないって、言ったじゃない…!!」
「俺は動いていないぞ。君が動いているんだ」

 抗議の声を上げるも膝丸はお構いなしに足を動かして私を揺らす。蜘蛛足にがっちりと掴まれて上下に振られるたび、トゲだらけの蛇の性器が引きずられた膣粘膜を押し戻すよう突き入れられ、空気までも巻き込んでじゅぽじゅぽとことさら卑猥な音を立てる。なす術もなく拘束され、膣穴で陰茎を扱くかのように揺さぶられる様は…まるでオナホ。ひどい、なんとも屈辱的であるのに、怒りよりも先に快感で埋め尽くされてしまう。

「あっあ〜〜ッッ!!♡ ひざまる、気持ちいっ、あ゛っ、も、イきたくないぃ!! くるしいっっ!!♡」

 無意識のうちに甘えるように差し出していた手が強く引かれる。両手を引っ張られて胸に抱き寄せられ、そのまま押し倒されてしまった。
床に潰され、男の固い腕に抱きすくめられる。下半身に刺さっていた肉棒が蛇体の体重に後押しされてさらに奥まで埋め込まれた。ぐぅっと苦しい息が漏れる。
 腰をわななかせながら目の前の彼の顔を見上げると、抑えきれない獣欲に爛々と光る瞳が私を見返してきた。荒い息を吐く口からは鋭い牙がのぞき、ぼたぼたと毒液を垂らしている。

「はぁっ、もう我慢できない…! 動くぞ」

 そして欲望のままに蛇体を叩きつけ始めた。
 蛇の異形の性器にずこずこと掻き分けられ、柔軟な膣壁はあえなく屈し、雄を愉しませるだけの器官として容赦なく形を歪められる。技巧もなければ配慮もない、こちらの愉悦などお構いなしに振りたくられる、完全に己の快楽を貪るための動きだった。

「あっあ゛っああっっ! むりっ、激しっっ!! 止まってぇ!!!」

 渾身の力で叩き込まれる無数のトゲが、ざりざりと膣内のすべてを蹂躙し、余すところなく弱いところを攻め立てる。気持ちいいどころの騒ぎではない。こんな快楽にどっぷり漬けられてしまったら頭がおかしくなる…!

「きもちぃっ、あっ!! イぐ、イくぅ…!!」
「ああ、あるじっ、主の中は気持ちよすぎて、っ、俺も長く持たなそうだ」

 潰れたカエルみたいな無様な格好で膝丸の性器を咥え込み、ガンガンと奥を叩かれて犯される。泣いて喚いて身悶えても、がっちりと組み敷かれてしまって逃げようがない。

「やだ、やだぁっ!!♡ おまんこ壊れるぅ!!」
「この程度で壊れてしまっては困るっ、なにせ主には俺の子を生んでもらうからなっ…! いずれここを通って生まれてくる子どものためにも、頑張ってくれ♡」
「あんっ、うあぁ!♡ んっ、子ども…?!」

 粘液にまみれた陰茎の先っぽと子宮口がぶつかり、弾力のある互いが変形するほどに押し潰されて密着する。赤ちゃんの部屋の入り口をめちゃくちゃに犯されながら……今言われたことを反芻する。あれ、待ってくれ。趣旨が変わってきてやしないか?

「ひ、ひざまる…?! 子どもって…、んうっっ?!」

 疑問を唱えようとした口が牙をのぞかせたそれに乱暴に塞がれる。激しく打ち付ける下半身とは逆に、長い舌は優しく口内を滑っていく。ちゅっ、ちゅと軽く音を立てながら唇を吸い合わせるのは恋人同士みたいで、気持ちいい。主とか刀とかどうでもよくなってしまう、体も心もぐずぐずに蕩けさせて呑み込んでしまうような甘い毒だ。

「好きだ…主、こうして君と体を重ねられて夢のようだ。他の刀にも人にも渡すものか。誰かに取られる前に、この奥に…子宮に、俺の子種を植え付けてやろう」
「んん…!?」

 ぐっと押し込まれた肉槍が、その無数のトゲがつるつるした子宮口を穿つ。鞭打つかのようにしなる蛇の尾は絶頂の間際の興奮を表して、壁を殴打して部屋を震わせた。床に押し潰された背筋が反る。またイく。揺さぶられ貪られ、何度目か分からない絶頂に突き落とされる。

「ああっ、主っ! 出すぞ……孕め…!!」

 低い声が鼓膜を震わせる。膣内を変形させて奥に突きつけられた陰茎がびくびくと跳ねるのを、お腹全体で知覚した。

「あ゛っ…?! へびっ♡ へびの赤ちゃん、妊娠しちゃう…!!?」
「ああ、この、胎の奥に、注ぎ込んでやろう…! 孕め、その胎に、俺の子を宿せ…!」
「ぁう゛ッッ…!!? イっ…イくイくイぐっ……ぉ、ああ゛…♡ へびの子ども孕んじゃうよぉ…!!♡」

 絶頂で痙攣する私の上で蛇の腹が激しく波打った。
 濃い精液を子宮に叩きつけられ、強い雄に胎の中を屈服させられる喜びに本能が満たされる。雌として求められ組み伏せられ存分に犯されたあと、否応なしにたっぷりと子種を注ぎ込まれる悦楽。それも人間ですらない、化け物に善がらされて種付けされているという異常な背徳感。本当に子どもができてしまったらどうしようと僅かに想像した瞬間、膣内がぎゅんぎゅんと締まって彼のものを抱き締め、最後の一滴すら搾り取るかのごとく扱き抜いた。

「っっ……君の体が俺の子種を欲しがっているんだな♡」
「やぁっ……ちがぁう……!♡」

 膝丸は私を抱き締めたままゆっくりと体を前後させ、精液を塗り込むようにぬこぬこと子宮口と膣内を摩擦した。

「はぁ…っ♡ 主は本当に可愛いな…」
「んっ……うぅ…膝丸、きもちい…」

 こんなに気持ちいいことを知ってしまったら、もうふつうの人間の男とはセックスできない。夢うつつのような心地で膝丸の頭を抱いて唇に口付けた。
 後戯のようなキスと愛撫を楽しんでいたが、お腹の中が苦しいままなのに気づいた。中に入っているものがいっこうに萎える気配がない。

「…ね、今ので霊力は抜けた…?」
「いや、まだまだあり余っているな。もう少し付き合ってもらわなければならない」

 半身を起こした膝丸はなにを思ったか、挿入したまま私の体をうつ伏せにひっくり返した。

「今度はこっちのほうも慰めてもらおう」

 そう言ってお尻に押し付けてきたのは、入っていないほうのヘミペニスだった。



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